【札幌の歯科医監修】子どもの歯が欠けた・折れた・抜けた時の応急処置と治療法
【札幌の歯科医監修】
子どもの歯が欠けた・折れた・抜けた時の応急処置と治療法
この記事の要点まとめ:
・お子さまが歯をぶつけたら、痛みがなくても必ず歯科医院を受診してください。
・乳歯の怪我を放置すると、下にいる永久歯の芽に悪影響が出ることがあります。
・歯が抜けた場合、絶対に水道水で洗わず「牛乳」か「歯の保存液」に入れてお持ちください。
・札幌の当院では、歯科・矯正歯科の両面から、将来の歯並びまで見据えた診断を行います。
「歯が少し欠けてしまった…どうしよう」
「血が出ているけど、大丈夫?」
お子さまが元気いっぱいに遊んでいる時、転倒や衝突で歯をぶつけてしまうことは珍しくありません。親御さまとしては、血が出ていたり、歯が欠けていたりすると、気が動転してしまうことと思います。
でも、どうか落ち着いてください。
歯の外傷(ぶつけた怪我)は、その直後の「応急処置」と「できるだけ早く歯科医院で診てもらう」ことが、歯の将来にとって最も重要です。
この記事では、札幌市豊平区月寒のやまぐち歯科こども歯科が、お子さまの歯が欠けた・折れた・抜けた時に親御さまがすべきこと、絶対にやってはいけないこと、そして歯科医院での治療の流れを、歯科医師・矯正歯科医の視点から徹底的に解説します。
【最重要】歯をぶつけたら…まずやるべき応急処置
お子さまが歯をぶつけたら、パニックにならず、まずは状況を確認してください。そして、以下の「NG行動」と「OK行動」を守ってください。
- 抜けた歯を水道水でゴシゴシ洗う
歯の根についている「歯根膜」という大切な細胞が死んでしまいます。 - 歯をティッシュや布で包む
歯根膜が乾燥して死んでしまいます。 - 抜けた歯を無理に元の場所に戻そうとする
歯根膜を傷つけたり、細菌を押し込む原因になります。 - 「痛くないから」と様子を見る
神経が死んでいても、その日は痛まないことがあります。
- まずはお電話ください
状況をお伺いし、すぐに何をすべきか指示します。(札幌市豊平区月寒 やまぐち歯科こども歯科 011-855-3722) - 【歯が抜けた場合】牛乳か歯の保存液に入れる
歯の根には触らず、歯冠(見えている部分)を持ちます。汚れがひどければ牛乳で軽くすすぎ、牛乳(成分無調整)または薬局の歯の保存液に浸けてください。それが無ければ、**お口の中(頬と歯ぐきの間)**に入れて乾燥を防ぎます。 - 【欠けた場合】破片を保存する
欠けた破片も、水か牛乳に入れてお持ちください。接着できる可能性があります。 - 【出血時】清潔なガーゼで圧迫止血
歯ぐきや唇が切れている場合、清潔なガーゼで5〜10分ほど強く押さえて止血します。
なぜ放置は危険?乳歯の怪我が永久歯に及ぼす影響
「乳歯はどうせ生え変わるから、少しくらい欠けても大丈夫」と考えるのは非常に危険です。
乳歯の根の先にいる「永久歯の芽」
乳歯の根のすぐ下には、次に出てくる永久歯の「芽(歯胚)」が控えています。乳歯をぶつけた衝撃が根の先に伝わったり、欠けた部分から細菌が入って根の先で膿が溜まったりすると、その膿が永久歯の芽に悪影響を及ぼします。
- 永久歯が変色(茶色っぽく)して生えてくる。
- 永久歯の形がいびつになる(ターナー歯)。
- 永久歯が正しい位置から生えてこない(異所萌出)。
- 最悪の場合、永久歯の芽が死んでしまい、生えてこなくなる。
生えたての永久歯(幼若永久歯)は特に危険!
生えたばかりの永久歯(6〜8歳頃)は、まだ根の先端が完成しておらず(根未完成歯)、非常にデリケートです。この時期に強い衝撃を受けると、歯の神経が簡単に死んでしまったり、根の成長が止まってしまうことがあります。
だからこそ、お子さまが歯をぶつけたら、痛みの有無にかかわらず、必ず歯科医院でレントゲンを撮り、永久歯への影響を確認することが不可欠なのです。
【症状別】歯科医院での治療法(欠けた/グラグラ/抜けた)
札幌市豊平区月寒の当院に来院された場合、歯の状態(症状)によって治療法が変わります。
| 症状 | 状態(診断名) | 乳歯の主な治療 | 永久歯の主な治療 |
|---|---|---|---|
| ① 少し欠けた | 歯冠破折(エナメル質・象牙質) | ・研磨(角を丸める) ・CR(白い詰め物)で修復 |
・CR(白い詰め物)で修復 ・破片があれば接着 |
| ② 神経が見える(赤い点) | 歯髄露出を伴う歯冠破折 | ・神経を保護する薬を塗る ・場合により神経の一部を除去 |
・神経を保護する薬(MTAセメント) ・根管治療(神経の治療) |
| ③ グラグラする | 歯の亜脱臼・(根の破折) | ・自然に治るのを待つ(軽度) ・隣の歯と固定(中等度) |
・隣の歯と接着剤で固定(暫間固定) ・神経の生死を定期チェック |
| ④ 歯茎にめり込んだ | 埋入(まいにゅう) | ・自然に再萌出するのを待つ(経過観察) ・永久歯の芽の損傷確認 |
・矯正的に引っ張り出す ・または外科的に元の位置に戻す |
| ⑤ 完全に抜けた | 完全脱臼 | 再植しない(永久歯に悪影響のため) | 再植する(歯を洗い、元の位置に戻して固定) |
| ⑥ 色が変わった | 歯髄壊死(神経が死んだ) | ・経過観察(永久歯への影響を注視) ・必要なら根管治療 |
・根管治療(神経の治療) ・ウォーキングブリーチ |
【乳歯と永久歯の最大の違い】
乳歯が完全に抜けてしまった場合、永久歯の芽を傷つけるリスクがあるため、原則として元に戻しません(再植しない)。しかし、永久歯が抜けた場合は、歯根膜が生きている限り**再植します。** だからこそ、永久歯が抜けた場合は「牛乳保存」と「時間との勝負」が極めて重要なのです。
札幌の当院(小児歯科・矯正歯科)の強み
やまぐち歯科こども歯科では、お子さまの歯の怪我に対し、小児歯科と矯正歯科の両方の専門知識を活かした対応を行っています。
1. CTによる精密診断(永久歯の芽の確認)
特に乳歯を強くぶつけた場合、通常のレントゲン(2D)だけでは、永久歯の芽(歯胚)との位置関係や、顎の骨の微細な骨折は見えません。
当院では必要に応じて歯科用CT(3D)を用い、乳歯の根が永久歯の芽を圧迫していないか、骨にヒビが入っていないかを精密に診断します。
2. 矯正歯科医による「歯並び」への配慮
乳歯が早くに抜けてしまった場合、放置すると両隣の歯が倒れ込んできて、将来永久歯が生えるスペースがなくなってしまいます。
当院では、矯正歯科医の視点から、必要に応じて「保隙装置(ほげきそうち)」というスペースキーパーを装着し、将来の歯並びを守る処置も同時に行います。
3. 安心の「親子同伴」診療
お子さまが怪我をして最も不安なのは、親御さまと離されることです。当院は「やまぐち歯科こども歯科」として、親御さまも一緒に診療室に入っていただき、現在の状況と今後の治療方針を、レントゲンやCT画像をお見せしながら丁寧に説明し、不安を取り除きます。
よくある質問(Q&A 10選)
Q1. 歯が抜けました。水道水で洗ってティッシュで包んで持っていけばいいですか?
A. 絶対にいけません。水道水で洗うと、歯の根にある「歯根膜」という大切な細胞が死んでしまいます。ティッシュで包むと乾燥して細胞が死んでしまいます。歯は絶対に洗わず、ティッシュにも包まず、すぐに「牛乳」か「歯の保存液」に入れてお持ちください。
Q2. 乳歯が欠けました。痛がっていないし、どうせ生え変わるので放置してもいいですか?
A. 放置は危険です。欠けた部分から細菌が入り、乳歯の根の先に膿が溜まると、その真下にいる「永久歯の芽」に悪影響を及ぼし、永久歯が変色したり、形がいびつになったりすることがあります。痛みがなくても必ず受診してください。
Q3. 歯がグラグラしているだけですが、行ったほうがいいですか?
A. はい、すぐにご連絡ください。「亜脱臼」という状態で、神経がダメージを受けている可能性があります。一時的に隣の歯と固定(暫間固定)して安静にする処置が必要です。
Q4. 歯が歯茎にめり込んで、短くなったように見えます。
A. 「埋入(まいにゅう)」という状態です。特に乳歯の場合、無理に引っ張り出さず、自然に出てくるのを待つことが多いですが、永久歯の芽への影響をレントゲンで確認する必要があります。永久歯の場合は、引っ張り出して固定する処置が必要です。
Q5. 応急処置だけしてもらって、後日かかりつけ医に行ってもいいですか?
A. 札幌市豊平区月寒の当院では、応急処置だけでなく、その後の経過観察まで一貫して行うことを強くお勧めします。歯の外傷は、数ヶ月〜数年後に神経が死んだり、歯の根が吸収されたりするリスクがあり、長期的な管理が歯の寿命を左右するからです。
Q6. 治療費はどのくらいかかりますか?
A. 札幌市の場合、お子さまの医療費助成(乳幼児医療費助成など)の対象となりますので、保険診療の範囲内であれば、窓口でのご負担はほとんどの場合ありません(数百円程度)。健康保険証と医療費受給者証を必ずお持ちください。
Q7. 歯が抜けてから1時間以上経ってしまいました。もう手遅れですか?
A. 手遅れと諦めないでください。歯根膜の細胞は30分を超えると生存率が下がりますが、1時間以上経過しても再植できる可能性はゼロではありません。とにかく乾燥させないように牛乳などに入れて、一刻も早くお持ちください。
Q8. ぶつけた後、歯の色がだんだん黒くなってきました。
A. 歯の神経(歯髄)が衝撃で死んでしまい、内出血が歯の内部で変色した可能性が非常に高いです。乳歯の場合はそのまま経過を見ることもありますが、永久歯の場合は神経の治療(根管治療)が必要になることが多いため、すぐに診断が必要です。
Q9. スポーツをしていますが、予防法はありますか?
A. はい、歯科医院で製作する「スポーツマウスガード」が最も有効な予防法です。市販品と違い、衝撃吸収性が高く、噛み合わせにもフィットするため、怪我の予防とパフォーマンス向上に役立ちます。当院でも製作可能ですのでご相談ください。
Q10. 子どもの治療で、親はずっとそばにいられますか?
A. はい、やまぐち歯科こども歯科では、お子さまが安心して治療を受けられるよう、親御さまも一緒に診療室に入っていただき、処置をご覧いただきながら丁寧にご説明することを大切にしています。
まとめ:お子さまの歯の未来を守るために
お子さまが歯をぶつけた時、親御さまの冷静な初期対応(特に「歯の保存方法」)と、歯科医院での「早期の精密診断」が、その歯の寿命と将来の歯並びを決めると言っても過言ではありません。
「乳歯だから大丈夫」という油断は禁物です。やまぐち歯科こども歯科は、小児歯科と矯正歯科の専門知識を総動員し、お子さまの歯の「今」と「未来」の両方を守ります。
お子さまの歯の怪我・外傷 緊急のご相談
「歯が欠けた・抜けた・グラグラする」
慌てず、まずはすぐにお電話ください。スタッフが応急処置の方法からご案内します。
【受付時間】平日 9:00〜18:00 / 土曜 9:00〜17:00
(休診日:日曜・祝日)
※札幌市豊平区月寒中央駅直結
この記事の執筆・監修
歯科医師 山口 治奈
やまぐち歯科こども歯科 歯科医師・日本矯正歯科学会認定医・歯学博士。
三児の母として、親御さまの不安に寄り添いながら、歯科・矯正歯科の両面からお子さまの歯の健康と成長をサポートしている。
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